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求人票を複数の求人媒体向けに作り分ける方法

結論

求人票の作り分けは、1求人を4つの媒体に出すと約4.75時間かかる仕事です(一般的な業務量からの試算。後述)。原本を1枚作り、媒体ごとの書き分けをAIに任せると、約2.25時間まで減ります。差は1求人あたり約2.5時間です。AIに任せられるのは、文面の書き分けと文字数の調整までです。給与・休日・勤務地の照合と、掲載の判断は人が持ちます。

求人票を媒体ごとに作り分けなければならないのはなぜか

同じ求人でも、媒体が変わると読む人と読み方が変わります。作り分けが必要になるのは、次の3つの違いがあるからです。

  • 項目の数と文字数の上限が、媒体ごとに違う
  • 読者の探し方が違う(仕事内容で探す人、勤務地で探す人、給与で探す人)
  • 写真や見出しなど、目に入る場所が違う

そのまま貼り付けると、上限を超えて切れたり、大事な条件が奥に埋もれたりします。かといって媒体ごとにゼロから書くと、担当者の時間が消えます。

もう1つ、書き分けで起きやすい事故があります。書き直すうちに、給与や休日の数字が媒体間で食い違うことです。

媒体ごとに書き方が違っても、内容が食い違ってはいけません。

作り分けの作業は、AIでどれだけ減るのか(試算)

1求人を4つの媒体に出す場合の計算例です。原本の媒体が1つ、書き分ける媒体が3つです。

作業 いまの時間 AI化後 差
原本づくり(条件の整理と下書き) 60分 40分 20分
媒体別の書き分け(3媒体) 135分 45分 90分
数字・条件の照合 30分 30分 0分
条件変更時の全媒体への反映 60分 20分 40分
合計 285分(約4.75時間) 135分(約2.25時間) 150分(約2.5時間)

試算の前提は次のとおりです。

  • 担当者は1名で、求人票の作成に慣れている
  • 書き分けは1媒体あたり45分。AI化後は、AIの下書きを確認して直す15分
  • 条件変更は、掲載期間中に1回起きるものとして計算する
  • 照合は人が行うため、時間は変わらない
  • 時給は2,000円と仮定(目安)。すると1求人あたり約5,000円分の時間が空く

年に6つの職種を募集する会社なら、年間で約15時間の差になります。

差が大きいのは、書き分けと条件変更の反映です。照合を減らさないのは、ここを省くと事故につながるためです。

手順:原本を1枚作ってから書き分ける

順番を守ると、食い違いの事故がほぼ起きなくなります。

  1. 原本を作る。仕事内容・給与・勤務地・勤務時間・休日・応募資格を確定させる
  2. 原本の数字を、就業規則や雇用契約書と照らして人が確認する
  3. 媒体ごとの上限(文字数・項目・写真の枚数)を、各媒体の管理画面で調べる
  4. 原本と媒体の上限をAIに渡し、媒体別の文面を作らせる
  5. 原本と数字が一致しているか、人が1つずつ照合する
  6. 掲載する。条件が変わったら、原本を直してから3の媒体別を作り直す

原本を先に決めることが要です。条件を直す場所が1か所なら、反映漏れは起きません。

原本が固まっていない求人(給与が未定など)は、AIに書かせずに先に社内で決めます。AIは未定の条件を、もっともらしい文章で埋めてしまうことがあります。

文例:媒体別の書き分けをAIに頼む指示文

次の指示文は、原本を貼って媒体別の文面を作らせるためのものです。【 】の部分を自社の内容に置き換えます。

あなたは中小企業の採用担当者の補佐です。
下の「求人票の原本」を元に、【媒体名】向けの求人文を作ってください。

【媒体の条件】
・タイトルは【文字数】字以内
・仕事内容は【文字数】字以内
・読者は【例:地元で長く働きたい30〜40代】

【ルール】
・給与、休日、勤務時間、勤務地は原本の数字をそのまま使う
・原本にない数字や条件を書き足さない
・性別や年齢を限定する表現を使わない
・誇張する言葉(「圧倒的」「最高」など)を使わない
・分からない項目は、書かずに「原本に記載なし」と伝える

【求人票の原本】
(ここに原本を貼る)

指示文に「性別や年齢を限定しない」と入れているのは、募集・採用での年齢制限が労働施策総合推進法9条で原則禁止、性別による差別が男女雇用機会均等法5条で禁止されているためです(厚生労働省「採用・選考時のルール」)。

置き換える場所は、媒体名・文字数・読者の3つです。文字数と読者像は、媒体ごとに変えます。2つ目以降の媒体では、この指示文の【 】だけを差し替えます。

原本に個人情報(応募者の氏名など)は入れません。求人票は公開する文書なので、自社の労働条件は入れて構いません。

媒体の種類ごとに、何を変えるか

具体的な媒体名ごとの仕様(文字数・項目・料金)は変わるため、ここでは種類ごとの書き分けの方向だけを整理します。上限の数字は、各媒体の管理画面で確認します。

媒体の種類 読者の探し方 書き分けの方向 上限の数字
求人の検索サイト 職種・勤務地・給与で絞る 冒頭に条件を集め、検索に出る語を入れる 【各自確認:掲載する求人サイトの文字数・項目の上限。各サイトの管理画面の入力欄で確認】
ハローワーク 窓口や端末で条件から探す 項目を埋める形で、簡潔に事実を書く 【各自確認:ハローワークの求人申込みの記入項目と文字数。ハローワークの求人申込書で確認】
自社サイト 会社に興味を持った人が読む 仕事の中身や社風を、ゆっくり書ける 上限なし(自社で決める)
紹介会社 担当者が求職者に説明する 説明しやすいよう、背景と条件を明確に書く 【各自確認:取引する紹介会社の求人票の様式。各社の担当者に確認】

自社サイトの文面は、ほかの媒体より長くてかまいません。ただし長くするほど、原本にない話が混ざりやすくなります。

チェックリスト:掲載前に人が確かめること

AIが作った文面は、掲載前に次の項目を人が確認します。1つでも欠けたら掲載しません。

□ 給与(下限・上限・手当の内訳)が、原本と全媒体で一致している □ 休日・勤務時間・残業の目安が、原本と全媒体で一致している □ 勤務地と、転勤の有無が一致している □ 原本にない数字や約束(「年収500万円も可能」など)が書かれていない □ 応募方法と連絡先が、媒体ごとに正しい

チェックは、原本と並べて1項目ずつ見ます。AIの文面だけを読んでも、食い違いには気づけません。

よくある質問

求人票を、全部の媒体に同じ文面で貼ってはいけませんか

貼れる媒体もありますが、おすすめしません。文字数の上限を超えると、末尾が切れます。条件が奥に埋もれて、検索や一覧で目に入りにくくなることもあります。原本から作り分ければ、同じ手間で読みやすくできます。

媒体の文字数や項目の上限は、どうやって調べればよいですか

各媒体の求人掲載の管理画面に、入力欄ごとの上限が出ます。掲載前の入力画面か、媒体が出している入稿の案内を見ます。上限は変わることがあるため、書き分けのたびに確認します。【各自確認:利用する媒体の最新の文字数・項目の上限。各媒体の管理画面か入稿の案内で確認】

紹介会社に渡す求人票も、同じ原本から作れますか

作れます。紹介会社の担当者は、求職者に口頭で説明します。そのため、募集の背景や求める人物像を、条件と分けて書くと伝わりやすくなります。指示文の「読者」を「紹介会社の担当者」に差し替えます。

給与を変更したとき、全媒体への反映漏れを防ぐには

原本を先に直し、そこから媒体別を作り直します。掲載中の求人は、媒体ごとに一覧を作り、直した日付を記録します。媒体が増えるほど、直接の手直しは漏れやすくなります。

年に1〜2件しか募集しない会社でも、作り分けを仕組みにする意味はありますか

1件だけなら、効果は小さいです。ただし原本と指示文を残しておくと、次の募集で条件を差し替えるだけで済みます。年3件以上の募集がある会社なら、時間の差がはっきり出ます。

理解度チェック

読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。

Q1. 求人票を作り分けるときは、条件を確定させた原本を先に1枚作り、それを元に媒体別の文面を作る。

○ — 原本を先に決めておくと、媒体ごとに条件が食い違う事故を防げると本文で述べている。

Q2. 給与や休日などの条件は、媒体の読者に合わせて媒体ごとに変えてよい。

× — 変えてよいのは書き方(順番・強調点・文字数)だけで、条件そのものは全媒体で同じにすると本文で述べている。

Q3. AIが作った媒体別の文面は、原本と数字が一致しているかを人が照合してから掲載する。

○ — AIは材料にない数字を書き足すことがあるため、照合は人の仕事だと本文で述べている。

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いくつかの質問に答えると、AIに任せられる仕事と減らせる時間の目安が出ます。運営: 市瀬 大義(福岡。前職で経営企画室長を経て、執行役員CFO)

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