ホーム›記事›旅行代理店の問い合わせ対応をAIで減らす
営業

旅行代理店の問い合わせ対応をAIで減らす

結論

旅行代理店の問い合わせ対応で減らせるのは、営業時間・キャンセル規定・支払い方法・必要書類といった 「聞けば決まった答えが返ってくる」質問への一次回答です。行き先の相談や条件交渉、クレーム対応は 判断が要るため任せられません。一般的な業務量から試算すると、担当者1人あたり月28時間ほどが 空く計算になります(後述の試算)。まず定型質問を切り分けることが最初の一歩です。

旅行代理店の問い合わせ、AIに任せられるのはどこまでか

問い合わせには2種類あります。

  • 答えが決まっている質問: 営業時間、支払い方法、キャンセル規定、必要書類、集合場所の変更可否など
  • 判断が要る質問: 行き先の提案、値引きの相談、天候・情勢によるキャンセル交渉、クレーム

前者はAIに一次回答の下書きを任せられます。後者は最終的に人が判断し、返信文の作成だけAIに 手伝わせる形になります。「全部自動で返す」ではなく「答えの決まった部分だけ先に片付ける」のが 現実的な線引きです。

問い合わせ対応の時間はどれくらい減るのか(試算)

業務 いまの時間 AI化後 差
定型質問への一次回答(1件あたり) 約5分 約1.5分 約3.5分
定型質問の1日あたり合計(48件) 約240分(4時間) 約72分(1.2時間) 約168分(2.8時間)
月換算(20営業日) 約80時間 約24時間 約56時間

試算の前提: 従業員30名規模、問い合わせ対応の担当者2名、1日の問い合わせ件数を電話・メール・ LINE合算で80件、そのうち定型質問の割合を60%(48件)と仮定。表の「月換算」は担当者2名の合計値 (約56時間)で、1人あたりに均すと約28時間です。AI化後は「AIが下書きを作成し、 担当者が内容を確認してから送信する」運用を前提にしています。1件あたりの時間(いま約5分、 AI化後約1.5分)も、このサイトの仮定であり、実測値や公的統計ではありません。件数・割合・時間は 自社の実績に置き換えて計算してください。

対応できる問い合わせ、任せられない問い合わせ

種類 具体例 AIに任せられるか
定型情報の案内 営業時間、集合場所、持ち物、キャンセル料の規定 できる(下書き作成)
予約状況の確認 空席・空室の有無、締切日の案内 できる(予約システムと連携すれば自動化も可能)
見積・条件変更 人数変更、日程変更に伴う金額の再計算 一部できる(計算の下書きまで。確定は人)
行き先の相談 「子供連れで行ける温泉地は」等の提案 任せられない(判断業務)
クレーム・特別対応 天候による中止交渉、返金対応 任せられない(判断業務)

AIチャットボットと生成AIの違い

「AIで問い合わせ対応」と言っても、仕組みは大きく2つに分かれます。

  • チャットボット型: あらかじめ用意した質問と回答の組み合わせから、近い質問を選んで自動返信する。 営業時間・キャンセル規定など変化の少ない情報向き
  • 生成AI型: 過去のメール・マニュアルを読み込ませ、質問に応じて文章を新しく作る。表現の幅は広いが、 誤った情報を作ってしまうことがあるため、送信前に人が確認する運用が前提になる

どちらを選ぶかより、「送信前に人が見るかどうか」を先に決めておくことのほうが重要です。

導入手順(3ステップ)

  1. 過去3ヶ月分の問い合わせを見て、定型質問の割合を数える。 6割を超えるなら着手する価値があります (前記の試算の仮定に合わせたこのサイトの目安で、統計に基づく基準ではありません)
  2. 定型質問の回答文をひな形として1つのファイルにまとめる。 表記ゆれをここで揃えます
  3. まず1つの窓口(例: 問い合わせフォームのメール)だけで試し、担当者が確認・修正しながら2週間運用する

いきなり電話やLINEも含めて全窓口に広げると、誤回答が起きたときの原因切り分けが難しくなります。 窓口は1つずつ増やします。

現場ですぐ使える指示文(文例)

問い合わせメールの本文をAIに渡すときの指示文です。社内のひな形ファイルと合わせて使います。

あなたは旅行代理店の問い合わせ対応窓口です。
以下の【問い合わせ本文】を読み、【回答ひな形】の中から該当する回答を探して
返信文の下書きを作成してください。

条件:
- 該当する回答ひな形が無い場合は「該当なし」とだけ書き、下書きを作らない
- 金額・キャンセル料・返金の判断が必要な内容は、下書きを作らず「要判断」と書く
- 語尾は丁寧語に統一する
- お客様名は【 】のまま残し、担当者が手で入れる

【問い合わせ本文】
(ここに実際の問い合わせ文をそのまま貼る)

【回答ひな形】
(ここに社内で用意したひな形ファイルの内容を貼る)

お客様名の【 】は、担当者が実際の顧客名を手で入れます。 「該当なし」「要判断」の仕分けが正しく機能しているかは、最初の2週間は人が全件チェックする 運用にします。

導入前チェックリスト

  • □ 過去の問い合わせを見て、定型質問と判断業務の割合を数えたか
  • □ 使うツールが顧客情報を外部の学習データに使わない設定になっているか、設定画面で確認したか (例えばChatGPTは、Free・Plus・Proの個人利用では、既定で入力内容がモデルの学習に使われる設定です。 オフにするには、設定(Settings)>データコントロール(Data Controls)の 「Improve the model for everyone」を切ります。Business・Enterprise・APIでは、 既定では学習に使われません〔OpenAI公式ヘルプセンター help.openai.com/en/articles/7730893(Data Controls FAQ)、 help.openai.com/en/articles/5722486(How your data is used to improve model performance)、 2026年9月時点。日本語表示での項目名は画面で確認してください〕。 ツールごとに設定の場所と既定値は異なります。 【各自確認:使う予定のツールの設定画面と利用規約で、入力内容が学習に使われるか。各ツールの公式ヘルプで確認】)
  • □ 「該当なし」「要判断」に振り分けられた問い合わせを、人が確認する運用になっているか
  • □ 誤回答が起きたときに、誰が気づいて誰が訂正するかを決めたか

よくある質問

Q. 小さい旅行代理店でも導入する意味はありますか。 A. 担当者が1〜2名でも、定型質問への対応時間そのものは会社の規模と関係なく発生します。 問い合わせ件数が少なければ効果は小さくなりますが、ひな形を整理する作業自体は規模を問わず有効です。

Q. LINEでの問い合わせにも使えますか。 A. 仕組みとしては使えますが、まずはメールやフォームなど記録が残りやすい窓口で試し、 運用が安定してからLINEに広げる順番を勧めます。

Q. 天候による旅行中止の問い合わせにもAIは使えますか。 A. 中止の可否や返金額の判断そのものは人が行います。AIに任せられるのは、判断が決まったあとの 案内文を早く作る部分です。

Q. 導入にかかる費用はどれくらいですか。 A. ツールによって料金体系が大きく異なります。 【各自確認:導入を検討している問い合わせ対応AIツールの公式サイトの料金ページで、最新のプラン価格を確認】。 契約前に公式ページの最新情報を確認してください。

Q. 誤った回答を送ってしまうリスクはどう抑えればよいですか。 A. 送信前に担当者が目を通す運用にすること、「該当なし」「要判断」の仕分けルールを 指示文に明記しておくことで抑えられます。

理解度チェック

読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。

Q1. 緊急のキャンセル交渉やクレーム対応は、AIがそのまま返信して完結させてよい。

× — 金額や条件の判断が絡む問い合わせは人が最終確認する必要があると本文で述べている。

Q2. 定型的な質問はAIが下書きを作り、担当者が確認してから送る運用が現実的とされている。

○ — 本文の導入手順で、AIは下書き担当・人は確認と送信担当という役割分担を説明している。

Q3. 無料版の生成AIツールは、既定で入力内容が学習に使われる設定になっている場合がある。

○ — 本文でツール選定時の注意として、設定画面で確認するよう述べている。

無料・3分

御社の仕事のうち、AIに渡せるものを診断します。

いくつかの質問に答えると、AIに任せられる仕事と減らせる時間の目安が出ます。運営: 市瀬 大義(福岡。前職で経営企画室長を経て、執行役員CFO)

無料のAI導入診断を受ける LINEで「相談」と送る
この記事の作り方: 下書きにAIを使い、制度・料金・ツールの仕様は公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。運営は市瀬 大義(福岡。前職で経営企画室長を経て、執行役員CFO)です。誤りはLINEから知らせてください。