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未入金の督促をAIに任せる範囲|220分が60分の目安

結論

未入金の確認と督促で時間がかかっているのは、電話をかける作業ではなく、 「誰にいくら催促すべきか」を毎回一から洗い出しているところにあります。 入金データと請求データの突き合わせ、督促文面の下書きまではAIに任せられます。 一方で、督促を送るかどうかの判断、文面のトーン調整、支払いに応じない相手への 法的対応は、引き続き人が担う必要があります。この記事では、どこまでを 仕組みに任せられるかを工程ごとに分け、時間の目安と督促の設計方法を示します。

未入金の確認と督促、AIにどこまで任せられるのか

未入金の管理は「気づく」「知らせる」「対応を決める」の3段階に分けられます。 このうちAIに向くのは、決まった形式のデータを照合したり、文章の下書きを 作ったりする部分です。

工程 内容 担当
入金データと請求データの突き合わせ 銀行明細・入金記録と請求書を照合し、未入金を洗い出す AI
未入金一覧の作成 取引先別・経過日数別に並べ替えて表にする AI
督促文面の下書き 経過日数に応じた催促メール・書面の文案を作る AI
督促を送るかどうかの判断 相手の事情・取引継続の意向を踏まえて決める 人
文面のトーン調整 取引先との関係性に応じて言い回しを変える 人
支払いに応じない相手への対応 内容証明・法的措置に進むかを決める 人

AIが作るのは一覧表と文案までで、実際に送るかどうか、 どこまで強い表現にするかは担当者の判断が要ります。

いまの時間とAI化後の目安

一般的な業務量から試算すると、取引先50〜100社規模で毎月の 未入金確認・督促にかかる時間はおおむね次のとおりです。

業務 いまの時間 AI化後 差
入金データと請求データの突き合わせ 90分 20分 70分
未入金一覧の作成・並べ替え 40分 10分 30分
督促文面の作成(複数社分) 60分 15分 45分
対応履歴の記録 30分 15分 15分
合計 220分 60分 160分

試算の前提(一般的な業務量からの目安。実際の時間は取引先数・ 入金経路の多さ・督促の段階数で変わります)

  • 取引先数は50〜100社、月次で締めて確認する運用と仮定
  • 入金データは銀行明細またはネットバンキングの入出金記録を想定
  • AI化後の時間には、下書きを担当者が読んで宛先・金額を確認する時間を含む
  • 実際に督促電話をかける・訪問するといった対人対応の時間は含まない

入金データと請求データを突き合わせる仕組み

未入金の洗い出しは、銀行明細の入金記録と発行済み請求書を1件ずつ 照合する作業です。この照合は次の3ステップに分けられます。

  1. 銀行明細・入金記録をデータとして取り込む
  2. 発行済み請求書の金額・支払期日と突き合わせる
  3. 期日を過ぎても入金が確認できないものを未入金として抽出する

振込名義が請求先の会社名と異なる、一部だけ入金されている、 複数の請求をまとめて振り込まれているといったケースは、 自動照合だけでは判断がつかず人の確認が要ります。 freee請求書は、公式サイトの機能一覧で「銀行口座から自動で入金明細を取得」し 消込を自動化すること、会計システムとの連動で仕訳を自動作成することを 掲げています(freee株式会社公式サイト https://www.freee.co.jp/invoice/advance/features/ 、2026年9月22日確認。 このページには、どのプランで使えるかの記載はありません)。 「マネーフォワード クラウド債権管理」は、公式サイトで機械学習による 入金データの自動照合と、複数請求・分割入金の自動での紐づけを掲げています。 入金消込から債権残高・滞留督促の管理までを扱うサービスです(マネーフォワード公式サイト https://biz.moneyforward.com/receivable-management/ 、2026年9月22日確認)。 このように、調べた2サービスには突き合わせ機能がありますが、 対応範囲はサービスやプランごとに異なります。 【各自確認:いま使っている、または導入を考えている会計ソフト・請求書サービスの入金消込機能の対応範囲とプラン。各サービスの公式サイトの機能一覧、または提供元の窓口で確認。2026年9月時点】 契約前に確認しておく必要があります。

督促の段階を設計する

督促を1種類の文面で済ませると、支払期日を1日過ぎた相手にも 1ヶ月過ぎた相手にも同じ強さの催促が届きます。 経過日数ごとに段階を分けておくと、AIに下書きを作らせるときも 迷いません。

経過日数 対応 文面の強さ
期日〜7日 リマインドメール 確認のお願い程度
8〜20日 督促メール・電話 支払期限の再提示
21〜30日 督促書面(郵送) 期限を明記した催促
30日超 内容証明・法的対応の検討 人が個別に判断

この段階表は、このサイトが設計した例です。公的機関が定めた基準ではありません。 日数の区切りは業種や取引条件によって変わるため、 自社の支払サイトに合わせて調整します。AIには、この段階表に沿って 「今日時点でどの段階に該当する取引先か」を一覧化させ、 段階ごとの文面の下書きを作らせるところまでを任せます。

督促文面をAIに下書きさせるときの注意点

督促文はそのまま送ると角が立ちやすい文章です。AIに下書きさせるときは、 次の点を確認してから送信します。

  • 宛先の会社名・担当者名・金額・請求番号が正しいか
  • 取引を今後も続けたい相手かどうかで、表現の強さを変えているか
  • 支払いが遅れている理由(単純な失念か、資金繰りの問題か)を踏まえた表現になっているか
  • 法的な効力を持つと誤解されるような断定的な言い回しが入っていないか

AIは「経過日数に応じた一般的な文面」までは作れますが、 相手ごとの事情を踏まえた調整はできません。 下書きをそのまま送らず、担当者が一読してから送る運用にします。

督促メールの文例(8〜20日の段階)

段階表の「8〜20日」(支払期限の再提示)に該当する督促メールの文例です。 AIに下書きさせるときのたたき台として使い、送信前に宛先・会社名・金額・ 請求番号が実際の請求内容と一致しているかを確認してください。

件名: 【ご確認のお願い】請求書No.〇〇〇〇のお支払いについて

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇株式会社 経理担当の〇〇です。

〇年〇月〇日付でお送りした請求書(請求書No.〇〇〇〇、
ご請求金額〇〇円、お支払期日〇年〇月〇日)につきまして、
本日時点でご入金の確認ができておりません。

行き違いで既にお手続きいただいている場合は、
本メールと行き違いになりましたことをご容赦ください。

お手続きがまだの場合は、〇年〇月〇日までにお支払いいただけますよう
お願いいたします。ご不明な点やお支払いが難しいご事情がございましたら、
遠慮なくご連絡ください。

〇〇株式会社 〇〇部 〇〇
電話: 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 / メール: 〇〇@example.com

「期日〜7日」の段階ではこの文例から督促の色合いを弱めて確認のお願いに、 「21〜30日」以降は書面での送付に切り替えます。文面のトーン調整は、 前のセクションで述べたとおり人が担う判断です。

督促を強めるか止めるかは人が判断する

同じ経過日数でも、長年の取引先と新規の取引先では対応を変えるという 考え方が実務では一般的です(補足: 中小企業庁の公表ページと政府統計の総合窓口(e-Stat)で、 取引先の属性別に督促対応の比率を示す公的統計を探しましたが、見つかりませんでした(2026年9月22日時点)。 以下は実務上の考え方です)。取引継続の意向、相手の資金繰り事情、 過去の支払い履歴といった数字に出ない要素を踏まえた判断は、 AIではなく人が担う範囲です。督促の段階表はあくまで目安であり、 「今回は1段階手前で止める」「今回は早めに書面に切り替える」 といった調整は、担当者や上長が個別に決めます。

支払いに応じない相手への法的対応の前に確認すること

督促を重ねても支払いが確認できない場合、内容証明郵便の送付や 法的な回収手続きを検討する段階に入ります。この判断は人が担う領域です。

  • 内容証明郵便は、いつ・どのような内容を送ったかを記録に残す手段であり、 それ自体に法的な強制力はありません(日本郵便公式サイトも「当社が証明する ものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明する ものではありません」としています。出典: https://www.post.japanpost.jp/question/75.html 、2026年9月22日確認)
  • 売掛金などの債権には時効があり、放置すると請求できなくなる可能性があります。 民法166条では、債権者が権利を行使できると知った時から5年、または 権利を行使できる時から10年のいずれか早いほうで消滅時効が完成すると 定められています(民法第166条。e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 で条文を確認できます)。 ただし個別の取引で時効の起算日をどう判断するかは、契約ごとに変わります。 【各自確認:自社の個別の債権について、消滅時効がいつから数えられるか。契約書・請求書に書かれた支払期日を手元に用意し、弁護士または弁護士会の法律相談窓口で確認】
  • 少額訴訟は、裁判所公式サイトで「60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、 原則として1回の審理で紛争解決を図る手続」と説明されています (https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_02/index.html 、2026年9月22日確認)。 支払督促は民事訴訟法382条以下に基づく手続きです(法務省「督促手続について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji68-1.html )。382条の条文には 請求金額の上限の定めがありません(e-Gov法令検索 民事訴訟法第382条、2026年9月22日確認)。 どちらを選ぶべきか、また実際に利用できるかは取引の内容によって変わります。 【各自確認:自社のケースで少額訴訟・支払督促のどちらが使えるか。請求金額・相手の所在地・相手が争う見込みを整理したうえで、弁護士・司法書士、または請求先の所在地を管轄する簡易裁判所の窓口で確認】

この段階に進む前に、督促の履歴(いつ・どの方法で・何を伝えたか)を 記録として残しておくと、後の対応がスムーズになります。 この記録作成はAIに任せられる部分です。

よくある質問

Q. 督促メールの文面をAIに全部作らせて、確認なしで送ってもよいですか。 A. 送る前に担当者が宛先・金額・文面を確認する運用を推奨します。 AIは経過日数に応じた一般的な文面は作れますが、相手との関係性を 踏まえた調整はできません。

Q. 入金消込の突き合わせで、一部だけ入金されているケースはAIが判断できますか。 A. 一部入金や複数請求のまとめ振込は自動照合だけでは判断がつかず、 候補として洗い出すところまでがAIの役割です。最終確認は人が行います。

Q. 督促の段階(何日目にどう対応するか)は、どの会社も同じでよいですか。 A. 支払サイトや取引条件によって適切な日数は変わります。 本文の表は目安であり、自社の実情に合わせて調整する必要があります。

Q. 取引を継続したい相手に督促を送ると、関係が悪化しませんか。 A. 文面の強さを経過日数だけでなく相手との関係性でも調整することで、 事務的な確認と強い催促を区別できます。この調整は人が担う判断です。

Q. 小さい会社でも督促の仕組み化に意味はありますか。 A. 取引先数が少なくても、突き合わせと文面作成の手間は毎月発生します。 件数が少ないほど属人化しやすいため、仕組み化の効果は残ります。

自社で何時間減らせるかは、未入金の確認と督促の作業量から

理解度チェック

読んだ内容の確認に3問だけ。押すと答えが開きます。

Q1. 入金データと請求データを突き合わせて未入金を洗い出す作業は、AIに任せやすい。

○ — 決まった形式のデータ同士を照合する作業はAIに向くため、突き合わせ自体は任せやすい(本文参照)。

Q2. 督促の文面をAIに下書きさせた場合、内容を確認せずにそのまま送ってよい。

× — 宛先や金額の誤り、取引先との関係を踏まえた表現の調整が必要なため、送信前に人の確認が要る(本文参照)。

Q3. 支払いが遅れている取引先に対し、督促を強めるか様子を見るかの判断は、AIに任せてよい。

× — 取引継続の意向や相手の事情など、数字に出ない要素を踏まえた判断は人が担う(本文参照)。

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いくつかの質問に答えると、AIに任せられる仕事と減らせる時間の目安が出ます。運営: 市瀬 大義(福岡。前職で経営企画室長を経て、執行役員CFO)

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この記事の作り方: 下書きにAIを使い、制度・料金・ツールの仕様は公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。運営は市瀬 大義(福岡。前職で経営企画室長を経て、執行役員CFO)です。誤りはLINEから知らせてください。